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元気堂の漢方薬通信 Blog

VOL.212 冬の養生法

漢方の聖典の一つである『黄帝内経素問』の四気調神大論には、 「冬三月、此れを閉蔵と謂(い)う。水凍り、地裂ける。陽を擾(みだ)すことなかれ。」と書かれており、冬は、万物の機能が閉蔵し、寒さが強いため、人体の陽気の損傷に気をつける必要があることを説いています。 1.寒さ対策 『黄帝内経素問』の厥論には、「陽気は足の五指の表より起こり、陰脈なる者は、足下に集まりて足心に聚(あつ)まる。」と記されています。足には重要な三つの陽経の終点の経穴と三つの陰経の起点の経穴があります。漢方では、「寒従脚起」とい […]

VOL.211 カゼをひきやすい

Aさんは、31才の男性、知り合いの方に勧められて来局されました。 「幼少期から、カゼをひきやすく、中学生の頃には、改善していたが、社会人になり、再度、発症。毎月のように、感冒に罹り、微熱、頭痛、咽痛を繰り返す。食欲は正常だが、食後眠くなり易い。軟便傾向。疲れやストレス、睡眠不足などにより発症しやすい。疲れやすく、手足が冷える。」とのことでした。 脾肺の陽気不足により、身体を護るバリア機能を担当している衛気が不足し、気の防御作用が低下していると考えて、医王湯と真武湯を服用していただくことにしました […]

VOL.210 子宮筋腫を伴う不妊

不妊の漢方相談には、子宮筋腫があるという方もいらっしゃいます。「34歳、結婚して2年。子宮筋腫が複数個あり、半年ほど前に手術を受けたが、まだ2個残っている。術前は、過多月経、血塊が多く、生理痛も辛かったが、今は、改善している。月経周期は28~30日。月経前はイライラしやすく、胸が張り、便秘気味になり、脚が浮腫む。疲れやすく、貧血気味。月経後半に目元がピクピク痙攣することがある。ストレスでお腹が張ったり、喉がつまる感じがする。肩や首が凝り、足先が冷える。クマができやすい。AMH検査では、40歳相当 […]

VOL.209 更年期の不安感

更年期障害は、「卵巣機能低下に伴うエストロゲン減少を基礎として、社会的、環境的、個人的な因子などが複雑に絡み合うことにより、器質的疾患がないにもかかわらず、自律神経失調を主とする不定愁訴がみられる症候群である。」とされています。 一方、漢方理論では、経断前後諸症などと称し、腎精(ホルモンと考えると良いでしょう)の消耗に伴う陰陽の不調を発症の根本としており、それが精神活動の要である「心」、自律神経と関わりの深い「肝」、決断力や快適な睡眠を生み出す「胆」などに影響を及ぼすことによって、身体のバランス […]

VOL.208 多嚢胞性卵巣症候群を伴う不妊

不妊の漢方相談にいらっしゃる方の中で、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)といわれている方が増えてきているように感じます。PCOSは、排卵障害のひとつです。スムーズに排卵できないため、生理が遅れたり、生理が来ないこともあります。そのため、結婚後早い時期から“妊活”を開始される方も多いようです。 「29歳、結婚して3年。結婚半年で妊活をスタート。その検査で、PCOSといわれた。人工授精を数回行ったが、妊娠に至らず、体外受精を勧められている。生理周期は29~36日、ストレスで遅れやすい。経血の色は明るいが […]

VOL.207 ストレスと耳鳴

耳鳴とは 外界に音がないのに、耳の中が鳴っていると自覚するもので、難聴を伴う場合が多くみられます。耳鳴には、当人だけに聞こえる自覚的耳鳴と、増幅すれば他人にも聞こえる他覚的耳鳴とがあります。耳鳴のほとんどは自覚的耳鳴であり、単に耳鳴といった場合にはこの自覚的耳鳴のことを言います。 漢方では、耳鳴は、肝胆、脾胃、腎の不調と関係が深いと考えられており、ストレスなどによる「肝気鬱結」「肝火上炎」「心胆虚怯」、飲食の不摂生などによる「痰濁上擾」、胃腸が弱いことによる「清陽不昇」、過労や老化などによる「気 […]

VOL.206 アトピー性皮膚炎と「バリア機能」

アトピー性皮膚炎は、皮膚の外側から来る刺激に対して、皮膚の内側がアレルギー反応を起こして発症するといわれています。外側からの刺激を受けやすい「皮膚バリア機能の低下」とアレルギー反応を起こしやすい「アトピー素因」とが、関わっていると考えられます。皮膚バリア機能の低下は、漢方では正気の不足と考えます。特に防御作用を受け持つ衛気という気が重要です。衛気が不足すると外部からの刺激や異物が入りやすくなります。また、津液や血の不足は、皮膚を滋潤することができずドライスキンとなります。 9才のA君「腕や膝裏、 […]

VOL.205 ストレスと漢方

新型コロナウィルス感染症の予防や対策のため、生活パターンや環境が急速に変化し、不安や憂鬱な気持ちで過ごされている方が少なくないと思います。漢方では、怒(怒り)・喜(喜び)・憂(憂い)・思(思い)・悲(悲しみ)・恐(恐れ)・驚(驚き)という感情の変化を七情といいます。 七情は、もともと外界事物に対する自然な感情表現であり、通常は発病因子にはなりません。しかし、強烈な精神的ストレスを受けたり、長期的に精神的刺激を受け続けると、生理的に調節できる許容範囲を超えてしまい、臓腑の機能や気血の循環などが不調 […]

VOL.204 感染症予防と漢方

漢方の聖典といわれる《黄帝内経》には、 次のように記されています。「邪の湊まる所、其の気必ず虚す。」 「邪の在る所、皆不足を為す。」 漢方では、病気が発生したり、悪化したりするかどうかは、 正気と邪気の相互関係によるものと考えています。 正気は、ここでは人体の抗病能力と回復能力を指し、 気、血、津液、精などの総称です。 邪気はウィルスや細菌などをはじめとする様々な発病要因のことをいいます。ここで重要なことは、発病の決定的な要因は、 邪気の存在よりも、人体の正気の強弱であることです。 人体の正気が […]