VOL.197 胃腸虚弱とアトピー性皮膚炎

漢方では「肺は皮毛に合す」「脾は肌肉を主る」といいます。
これは、健康な皮膚を保つためには、肺や脾(漢方では消化器系のリーダーのことです。)の生理機能が大きく関わっていることを示しています。肺や脾の生理機能が低下すると、皮膚の栄養が不足し、滋養されないと乾燥や痒みを生じます。また、皮膚のバリア機能が低下し、外界からの刺激に反応しやすくなります。

「33才男性、幼少期からアトピー性皮膚炎。しばらく症状は落ち着いていたが、5年程前から悪化してきた。普段から胃腸が弱く、下痢をしやすい。疲れやすく、食後は眠くなりやすい。首、耳の周囲、肘裏に多く発症し、患部淡紅色、痒み、乾燥、落屑、血痂がみられる。夏季は発汗により悪化し、冬季は乾燥により悪化しやすい。」との事でした。

脾失健運のため気、血、津液などの生成が不足していると考え、参苓白朮散と瓊玉膏を服用していただき、スキンケアの指導もさせていただきました。服用開始から2ヶ月ほどで、胃腸の調子が良くなり、皮膚の乾燥や痒みも少なくなりました。現在では、症状は、ほとんど落ち着き、漢方薬の卒業も間近だと思います。

このように、漢方では、肺や脾と皮膚は重要な関係にあるとされていますが、アトピー性皮膚炎には、これ以外にも、「風熱証」「風湿証」「湿熱証」「燥熱証」「血熱証」「気血両虚証」「血虚風燥証」「陰虚証」「肝気鬱結証」「血瘀証」「真寒仮熱証」等々多くのパターンがあり、当薬局では約八十種類ほどの処方を使い分けています。

日本人にアトピー性皮膚炎が多いのは、体質や生活様式によるものだと考えられます。当薬局では、その部分に重点を置き、中医皮膚病学をベースに日本人の体質に合わせて、独自の漢方治療を行っています。是非、一度ご相談下さい。